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無限英雄 第8話(その1)

第8話『ネクスター狩り』(その1)







 佐羽鬼統治(さばき とうち)の言うネクスターというのは。
 ネクスト能力。次の世代に進化する為の能力。
 1点抜きん出た能力は、適正を強めたもの。
 それをうまく束ねれば、人類は宇宙にも適応できる。
 蒼い雪は進化を促すための地球の意思。
 人は次の段階に進む準備にはいったのだ。
 そして統治は、自分の能力が全てのネクスターの中で一番優れていると豪語した。

 ネクスター狩り。統治に従わないネクスト能力者を狩る事が、統治の元に集められたネクスター達に与えられた使命だ。
「ひっひ・・・」
「従うと言ってさえくれれば、死ぬこともなかったというのに」
 スパークリングはそういうと、つかんだ男の頭に電流を流し込んだ。
 男は悲鳴も上げられずに目を見ひらいで倒れた。
「火葬お願いします、パイルマニア」
 スパークリングに言われて、パイルマニアは死んだ男の遺体に火を放った。
 体内に電気が残っていたのか、その体は弾けて消えた。
 スパークリングが殺した男は虫を操る能力を持ったネクスターだった。
「次に行きましょうか?」
「楽しそうだなお前は」
 パイルマニアはウンザリした表情でスパークリングを見た。
「何故お前は統治にしたがっている?」
 一度聞いておきたかったことだ。
 ガイオナースの中でもスパークリングは特に統治に信頼されている感じがするのだ。
「なんですかいきなり?」
「はっきり言うと俺はお前を相手にしたくないから統治に協力している」
 パイルマニアとスパークリングの能力は同質であり、属性が違う。
 お互いに倒せない相手ともいえる。
「正直ですね」
「どうせ初めから信用してないだろうが」
 そんな事はないとスパークリングは返したが、パイルマニアは信じない。
「そうですねぇ。一つはあなたと同じで、私も統治の相手はしたくないんですよ。あの能力はね」
 ふっと笑った。
 言うには、スパークリングの能力で太刀打ちできないわけではないが、勝てるとは思えないらしい。
「そしてもう一つはね・・・私は優柔不断でね」
「?」
「人に言われるままに行動する方が安心するんですよ」
 自嘲気味に言った。
「それならインフィニティについてもよかったんじゃないのか?」 
「そこは統治と戦いたくないというので解決ですかね」
 スパークリングはそう笑って、次の現場に向かうためにその場をたった。
「・・・統治の能力か」
 パイルマニアは呟くと、スパークリングの後についていった。

 いつもの学校の屋上で、腕に包帯にギプスを巻いた京介は呆としていた。
 腕の骨にひびが入ってたのでしばらくはヒーロー休業だ。
 スーツの改善にも時間がかかるらしい。
「よう! あれ、怪我?」
 円奈瞳が勢いよく顔を出した。
「ヒーローのアレで?」
「ああ、負けちゃった。ボッコボコに」
 京介は深くため息をついた。
「・・・ヒーローなんてやめちゃえばいいのに」
「一度やっちゃったもんは、そう簡単にはな」
 瞳は京介の横に座った。
「はいはい、愛しの天舞さんの為だもんね」
「まぁな」
 少しは否定するとかしろ。と瞳は脳内でつっこんだ。
「まあでもしばらくは休むしかないな」
 と、包帯を巻いている腕を見せていった。
「じゃあさ、デートしようよ」
「安静にしたいんですが」
「遊園地とは言わないから、映画くらい付き合って欲しいな」
 断る理由もないので京介はOKをした。
 
 京介は放課後まで時間を潰し、瞳と待ち合わせて校門を出た。
「映画なんて久し振りだな・・・3年は行ってないな」
「レンタルですましちゃう人?」
「いや、どうせ一年もすればテレビでやるじゃん」
 なんて会話をしつつ貼ってある映画のポスターに目をやり、何を見るかと迷う。
「円奈は何見たい?」
「なんでもいいよ」
「お前が誘ったんだろうに」
 瞳としては、京介と映画にくることが目的だったので、別に見るものは何でもいいのだ。
「じゃあこの、ミジンコカンフー~ミクロ拳法ニューヨークに行く!~にするか。CMガンガンやってるしな」
「それ絶対面白くないよね?」
「何でもいいって言ったじゃん」
「任意くんがみたいならいいけども。見たくないでしょ?ネタでしょ?」
 とりあえず謝った。
 無難なところでアクション映画を選んだ。が、やるまでに少し時間がある。
 2人は喫茶店で時間をつぶすことにした。
by ookami102 | 2008-08-01 18:56 | 小説 | Comments(0)