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あたり前田のクラッカー

当たり魔、枝のクラッカー。
この枝でめった刺しだあ!
こんばんわ。

あー、カラオケ行って声が痛い・・・
俺の・・・俺の声帯をかえせぇ。
帰りにレンビでヒカルオンを見つけたので借りてくる。
まだ見てないが。
今日は疲れ気味なので短かめさ。布亀の救急箱さ。
帰ってきた時効警察おもしれー。

↓小説・武者アストレイ30話。絵なし。



第30話『魏那王』
 戯画不老都(ギガフロート)に報告を終えた武留宇達は王武城へと戻る事となる。
「新しい刀の方はもうすぐ出来上がるわ。その時は私が届けてあげる」
 との事で恵里香と別れた。
「のう武留宇」
「どうした風花」
「王武対魏那軍との戦いはそれなりに続いているというのに、魏那王はまったく顔を出そうとしないのは何故なのじゃろうな?」
 その言葉に、武留宇も自分が魏那王の顔を知らない事に気がつく。
「わらわなりに調べてみても、コレといった時に顔を出すのはいつも誤悪留怒(ごおるど)じゃ」
「・・・魏那王はもしかすると」
 病に冒されているか、もしくは死亡しているか。何にしても戦に長が顔を出さないのだ、何かしら魏那王に起こっているのだろう。
「今の魏那は誤悪留怒の操り人形かもしれぬというところじゃな」
「ふむ・・・」
 武留宇は少し考え込んだ。

 魏那城。
 誤悪留怒(ごおるど)は自室で体の疼きに苦しんでいた。
 あの腕、魔神の腕を自分に移植してから感じる疼き。そしてその度に誤悪留怒の体は変化していった。
「おお、おおお・・・分かる、分かるぞ、この身の更なる飛躍・・・ひひっ、ひひひひ・・・あぐうぁっ!!」
  誤悪留怒の背中が割れ、黒い翼が飛び出し、左腕から黄金の爪が生えてきた。
「はあ、はあっ・・・く、黒い翼・・・くくく、より悪魔に近づいたという事か・・・いや、この体から溢れる力・・・」
 誤悪留怒は己の手の平を見つめ、それをぐっと閉じる。
「すでに魔そのもの・・・ははは、我はついに完全に魔の力を自分のものにした!この力、砂負徒(ざふと)の天帝にすら遅れはとらぬ!」
 誤悪留怒は両手を開いて吠えた。
「・・・今から我は天津・・・天津神(あまつがみ)・誤悪留怒なり!」
 恍惚に身を震わす誤悪留怒。
「ふふふ、ご機嫌だな誤悪留怒よ」
 声がして振り向くと、長髪の男性が立っていた。
「魏那王・・・よいのか床を抜けて」
「今さら延命もあるまい・・・なったか、魔の者に」
「ああ、見ての通りだ」
 その言葉に魏那王は満足そうに薄く微笑む。
「お前のその腕さえあの時に斬り落とされねば、ここまで長引く事もなかった・・・これで、私も死ねるな」
「魏那よ・・・」
 魏那・佐伯は王武を治める五部族の一つ、佐伯家の嫡男であった。
 文武に優れ人民の指示も厚く。聡明な王になる予定であった。しかしある時に自分の病を知った。
彼は今の王武の脆さを、来るべき腐乱都や練合との戦いを想定し危険と感じた。
そしてそれを正す為に佐伯家と縁を切り、立ち上がったのであった。
誤悪留怒はそれに荷担した。最終的な目的は違えど、王武の存続を望む事に関しては、2人は一致していた。
「もはや、人の力はいらぬ・・・もう私の力で人を集める必要もない・・・今より天津軍を名乗るがいい」
「・・・いいだろう、王武は、いや世界は我が掌握して見せよう・・・地獄で見物しているのだな」
 そう言って誤悪留怒は魏那の心臓に手とうを突き刺した。
 魏那は満足そうに目を閉じた。
 病のせいか、長引く戦のせいか、彼はもう王武という名前が残りさえすれば、それが魔によって掌握されようがいいとさえ思っていたのだ。
「すでに当初の気高い理想など忘れ去っていたのか。馬鹿な男よ」
 誤悪留怒の腕についた血が蒸発した。
「・・・さて、では本当の魔の進行を見せてやるとしよう」
 誤悪留怒はそう言い、魔界への扉を開いた。

続く
by ookami102 | 2007-05-12 00:08 | Comments(0)