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無限英雄2 第3話(その2)

無限英雄2
第3話『怪人』(その2)




 ぐわっ。
 何か、が凄まじい速さで向かってくると、手前で飛んで、ドロップキックを京介に放った。
「ぐっ!?」
 衝撃の瞬間、京介は後ろに飛ぶと、勢いを付けて開けてあった玄関から飛び出した。
 空中でスーツが転送されると、二階の高さからそのままコンクリート塀を抜けてアスファルトの地面に叩きつけられた。
『くうっ…!』
 かなりの衝撃が襲ったが、痛がっている余裕はない。
 すぐに立ち上がると視線をアパートに向けた。
 そしてアパートの屋根にいるものの姿を見つけた。
『…怪人』
高みからこちらを見ているソレは、そう表現するのが一番適当な外見であった。
 人間をベースの蜘蛛の特徴を加えた…怪人蜘蛛男といった感じか。
 口元からは血がしたたり落ちている。
 おそらく飛翔天馬のものであろう。
『能力者…じゃ、ない…ようだな…』
 インフィニティは構えを取る。
 蜘蛛男は軽く飛ぶと、インフィニティの前に降り立った。
「…ミツケタ…ネクスター」
(喋った!?)
 目の前の異形な生物の口から言葉が出た事に驚きつつ、警戒をしつつ間合いを図る。
「ギャ!」
 蜘蛛男が奇声を上げると、掴みかかってきた。
 肩を掴まれ、その怪人の腕をインフィニティが掴む。
 しかし強い力でビクともしない。
 そのまま手前に引きずられる。
『ぐううっ!』
 強化スーツごしに肩に痛みが走る。
「クラウゾ」
『…断る!』
 インフィニティは頭突きを食らわすと、捕縛を放れた。
 メットごしなのでこちらは平気だ。
 そして蜘蛛男の胸に拳を叩きつける。
 ダンプカーのタイヤを殴ったような感触。
 蜘蛛男は特にダメージもなくインフィニティを見た。
『はああっ!』
 インフィニティは数歩下がるとエネルギーを充填させ、ゼノ・インパクトを放つ体勢に入った。
 ゼノ・インパクトは自分の気を増幅させて相手の体に打ち込むインフィニティの最強の技だ。
 オーラが両手に走る。
 しかし蜘蛛男はたいした警戒もせず、近付いて来る。
 その口元が笑った気がした。
(勝てない…?)
 敵の余裕に京介はそう感じた。
 慢心ではない。絶対の余裕だ。 
「待てスパル・ダーマ!」
 声がして、蜘蛛男の後ろに一人の男が立っていた。
 スーツ姿の男。スーツといってもビジネスマンスーツだ。
(…いつの間に? 気がつかなかったぞ!?)
 男は驚愕するインフィニティを一瞥する。
「今回の目的は達成した。帰還せよ」
「ブブ…ワカッタ…」
 スパル・ダーマはその男の命令に素直に従うと、インフィニティに背を向けた。
『お、おい!』
 インフィニティの言葉に男は足を止める。
『何者だお前ら、何が目的だ?』
「我々はアークス…心配しなくてもまた狩りに来てやる、待っているのだな」
 男は口元に笑みを浮かべると、消えた。
 いつの間にか蜘蛛男も姿を消していた。
「うっ、うう…」
 スーツを解除して、京介はひざから崩れて地面に手を突いた。
 緊張の汗で服は濡れていた。
(何だ…あいつらは…)
 動きたくなかったが、近くから誰が通報したのか、パトカーのサイレンの音が聞こえてきたので、インフィニティは急いでその場を離れた。

  
  
つづく。
by ookami102 | 2013-02-21 19:18 | 小説 | Comments(0)